「情報」ってなんだろう
仕事が出版関係なので、「情報」そのものの話はよく出ます。
私自身、よく何をどう話すのかよくわからないまま話すので、「落ち着け」「整理してから話せ」と言われます。
なんか、シンフォニーの出だしで全部音が出るイメージなのに、一音、つまり自分の言葉しか発することができないので、変だなあと思って混乱してしまうのです。
単語もスムーズに出てこなくなったり、大丈夫かなあと思います。。
まあ、生きてるので大丈夫でしょう。。
私は落ち着くことが難しい性格なのかも。。意識的に自分を適応障害かなあと判断して、落ち着くことを習得した人もいるのですが。。
みんな何かしらを欠点と定めて克服していくのがすごいなあ、社会に適合しようとしているのかなと、通り過ぎていく風景のように、思います。
ただ、そのままではよく言われる「浮世離れ感ある人」になっちゃうので、私は言葉に興味を持っているので、そこから「情報」を整理するヒントを探していこうかなと思います。
「情報」っていう、漢字がすごいなーって、ずっと思ってました。
情…なさけ?を報ずる…?
みたいな漠然としたイメージだったので、白川静さんの「字通」という漢和辞典を開きました。「情」ですが、のっけから「人の陰気にして、欲有る者なり」と「説文解字」に…。いきなりすごい始まりだなあ。性を陽、情を陰とする漢代の性情論から来ているんだって。「情」もまた、陰陽の摂理なんですね。「礼記」には、「學ばずして能くするもの」、すなわち本能、と。
たまに漢和辞典を読むと、漢字が成り立つころには人のことは十分すぎるほど研究され尽くしていた気がします。
で、意味は、「こころ、こころに感じること、うまれつき」と第一の意味にあります。第二では、「まこと、まごころ」。第三には「なさけ、きもち、あわれみ、愛情」、第四には「ことわり、おもむき、ようす」。
…一つの漢字の情報量がすでに重たい印象です。意味が「こころ」だなんて、ヒトの普遍的ななにかを示す言葉ですもんね。なんだか他のものを売る商売をしたくなってきますね笑。「まごころ」や、「おもむき」という意味があることに、ちょっとホッとするし、自分がこの業界にいても許されるかな、という拠り所があります笑。
挙がっている例も、のっけから「情愛」とかむせ返りそう。
言われてみれば、業界全体もなんとなく、人が好きであれ嫌いであれ、こころに興味がある人が多いような…。
なんとなくばっかで恐縮なんですけど、こころというものの存在を感じた時に、それはまごころや誠実なものであってほしく、そしてそれを感じたらきもちやあわれみのようなものが出てきて…みたいな、まあただ意味をつなげただけだけど、いやほんとに「情」って、奥が深い漢字ですね。
「報」を見てみると、これもなんだか物々しくて、漢字の成り立ちに「手のかせ」だとか「人を抑える形で屈服の象」と。「説文解字」では、「罪に対する報復刑」。。おなかいたい。。
意味は、第一に「むくいる、こたえる、かえす、恩をかえす、祖祭の名」。第二に「もうす、つげる、しらせる」。第三に「罪を定める、判定する、罪する、応報」。第四に「親族間に密通する」。第五に「赴と通じ、おもむく、すみやか」。
…まあ、古代の中国から発展した言葉なので、当然そのような大事な、必要なシーンから作られたのでしょうね。
昔は文字というのは、貴重品のようにごく一部の人に慎重に扱われていたのだなと思います。
現代の例だと、日用品になる前の車が、貴重だったことと同じような感覚でしょうか。
情報は、インターネットの出現によって沢山流出することで、当たり前のように普及し、使いこなしています。
調べた意味のなかでは「ようすをしらせる」
ぐらいで良いとは思いますが、それ以上のドラマが、日常の「情報」から生まれるとしたら、その時、その場にその情報は必要なのか慎重になる必要がありそうかな…と思いました。少なくとも、自分が言葉のことが、好きならば。
こころをあつかって、つたえることなのだから…。
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